風景の奪還 vol.2 村元崇洋 「彫刻、この永遠なるものへの問いかけ」


photo:色のしずく[部分], 2001, 色エンピツ、発砲スチロール (C)Takahiro Muramoto



2003年7月7日(月)~7月26日(土)


 

【彫刻の原点は、空間の発見だ】


2003年、われわれは、アートの原点に戻る。

彫刻とは何か?

それは、空間を食べる生き物だ。
そうして、宇宙へと育っていく。

見えない触手を千も万も身につけて、
見えない空気の波動を食べながら、
宇宙の抽象へと育っていく。
ギリシャ、ローマ以来、そして古代中国以来、
それが不変で普遍な、彫刻の原理である。

新生αMプロジェクトが選んだ、若手第一号は、村元崇洋。
村元は、現在、最も注目を集めている若手作家だ。
武蔵野美術大の大学院、彫刻コースを修了したばかり。
在学中から、学内外でその実力を高く評価されてきた。
村元ほど、彫刻とは何かという根源的な問いに、
真摯に向ってきた作家を、

私たちは知らない。

それは、空間の波動だ。
それは、身体と宇宙との、呼吸だ。
それは、「見えない」万物照応(コレスポンデンス)だ。
村元の仕事は、空間を育てる。

波動と、吐息と、すべてを呑み込んで、空間を飼いならす。
そういう、不思議な、怪物である。

「村元-空間を飼いならす男」

村元は、身の回り一メートルから始める。
プラスチックの洗濯挟み。綿棒、鉛筆、小僧寿司のエセ竹笹まである。
村元は、見慣れたものを、見慣れたようには見ない。
すべては、光だ。

ここから、村元の錬金術が始まる。
小さな光を幾千、幾万と積みあげたり、引っつけたり、繋げたりして、
日常の事物は、宇宙彫刻へと育っていく。

だから村元は、日常彫刻を宇宙彫刻へと押しあげる。
それが村元流の、錬金術。

そこにわれわれは、真の意味での、
21世紀的な、アニミズムの復活を見る。

新見隆

ギャラリー・トーク 村元崇洋 × 保坂和志(小説家)