生命の部屋VII・森燐―百物語絵巻

photo:百物語絵巻イメージ画,楮紙、インクジェットプリント, 29.7×21.0cmx10枚, 2006 (C)Tsuyoshi Mori



2007年2月26日(月)~3月10日(土)


第7回αMプロジェクト2006のアーティストに、森燐(1967年長野県生まれ)を選んだ。

森は1993年に武蔵野美術大学大学院美術専攻日本画コースを修了し、97年から98年にかけてパリ国際芸術都市スタジオでアーティスト・イン・レジデンスを体験した。森の芸術表現は、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、絵本というように多様で多彩だ。その多くが生命に関係する表現が多いのも特徴とも言える。現在、森はパリを拠点に制作活動をしている。パリと言えば20世紀初頭芸術の都と呼ばれた都市だ。外国からは多くの芸術家がパリを目指し、パリは異邦人たちを受け入れる魅惑的な都市だった。そこで起きる異文化の衝突と刺激が、パリを中心とした20世紀前半の新しい芸術を生み出したともいえよう。人種のルツボとなり異文化が混在する都市にアートが育まれた。森もそんな国際都市パリで生活しながら異文化との出会いがあったと考えられる。
本展で森は百物語絵巻と題された写真表現を発表する。100人を超える様々な人種、国籍、年齢の人々の、今まさに握手しようとする瞬間の手を絵巻状にして展示する予定だそうだ。人の手をモチーフに白色や褐色、黄色の手が今まさに結ばれんとする瞬間の写真が連なる。その握手の意味とは、友情、愛情、家族愛、隣人愛、人類愛というように愛についての百の物語絵巻ということだろうか。他方、異文化の出会いによる相互理解に基づく、世界平和という壮大なメッセージとしてもとれるものだ。

加藤義夫

ギャラリー・トーク 森燐 x 加藤義夫