2005年10月3日(月)~10月15日(土)
photo: Urgent(急募)/かつて一時不法滞在をしていて、現在は期間限定の滞在許可証を所有している中近東出身35歳女性のアーティストがパスポート(夫)あるいは永久滞在許可証を募集しています。必ずEECの国籍をもつ、できればフランスの男性。(C)ghazel (翻訳・岡部あおみ)
イランで生まれ、10代をテヘランで過ごしたガゼル、現在はパリに拠点をおいて国際的に活躍しています。伝統的な黒いチャドルをまとってスキーをしたり、バイクに乗る『Me(自分)』シリーズの映像作品を、「パラレル・ライフ」と彼女は呼んでいます。イスラムの今、ヨーロッパの今を、ガゼルは異邦人マイノリティとしてのアイデンティティや法的存在の根拠をめぐって問いかけています。 南仏で視覚美術の大学院と映像の大学で修士と学士を取得した後、ガゼルは年に9ヶ月イランで、残りの3ヶ月を南仏で過ごし、ストリートチルドレンや軽犯罪を犯した青少年とのワークショップを手がけてきました。その後、ライフワークともなる『Me』を制作、同時に滞在許可書を失った外国人をテーマに、契約結婚を急募する『Urgent/Wanted(急募)』プロジェクトを実施しました。
はじめて訪れる日本での初個展では、ヴェネツィア・ビエンナーレやハバナ・ビエンナーレなど、各地の国際展で注目を集めているガゼルの多彩な作品を通して、グローバリズムの陰影に、光を当ててみたいと思います。