生命の部屋 vol.3
The Room of Life vol.3 Kozuki Watanabe: Body Sacrosanct
2006年10月10日(火)–10月21日(土)
October 10, 2006(Tue.) –October 21, 2006(Sat.)
ゲストキュレーター:加藤義夫
Guest Curator: Yoshio Kato
ギャラリートーク:10月14日(土)
渡辺紅月×加藤義夫
Gallery Talk: October 14(Sat.)
Kozuki Watanabe × Yoshio Kato
《おんなどちがまんの旗矛》2005年|©︎Kozuki Watanabe
第3回「αMプロジェクト2006」のアーティストには渡辺紅月を選んだ。
渡辺紅月は、1988年に大阪芸術大学芸術学部美術科を卒業し、1991年に大阪で初個展を開催。その後、上野の森美術館「VOCA’99展(1999)」、府中市美術館「ZONE-不穏な時代の透視者たち展(2003)」、イタリア・ミケッティ財団美術館(2003)「プレミオミケッティ展」、横浜BankART1929とドイツ・アーヘンを巡回展した「グローバル・プレヤーズ(2005-2006)」に参加。国内はもとより国際的に活躍している画家である。
渡辺は、80年代に世界的に流行したトランスアヴァンギャルディア(イタリア)に触発され絵画制作をスタートさせた。近年は、新表現主義的な手法は色あせて彼女独自の絵画を制作。潜在的な自己と見つめ合うことが、渡辺の芸術表現に流れている。描かれるのは人間の身体が多く、また画面の絵の具のにじみの多様は、彼女の感情のあらわれであり、線描は彼女の理性の表現に通じる。肉体と精神がバランスを失い、自己が自己として認識できない。
その生命体が浮遊している感じは彼女のセルフポートレイトでもあり、不穏な現代社会や近未来の不安を表現しているようだ。魂の安住の場所、すなわち身体という生命体を求めてさまよえる旅人である渡辺その旅は永遠で孤独な旅路という宿命を持つものだ。精神世界と生命との交流は、渡辺絵画の根幹をなすものでもある。
加藤義夫
ギャラリートーク 渡辺紅月×加藤義夫
https://gallery-alpham.com/text/20060301/