判断の尺度 vol.3

荒木優光|そよ風のような、出会い

Have something that defines my judgment vol. 3 Masamitsu Araki: The Breeze and You

2022年8月27日(土)~10月15日(土)
August 27, 2022(Sat.) - October 15, 2022(Sat.)

12:30〜19:00
日月祝休 入場無料
12:30-19:00
Closed on Sun., Mon., Holidays.
Entrance Free

ゲストキュレーター:千葉真智子(豊田市美術館学芸員)
Guest Curator: Machiko Chiba(Curator, Toyota Municipal Museum of Art)

パフォーマンス「ファーストバースデイ」 10月8日(土)18:00〜
Performance: October 8(Sat.) 18:00-

アーティストトーク 10月8日(土)18:30〜
荒木優光×千葉真智子
トーク定員25名を予定(予約者優先。メールにて「10/8イベント希望」と明記の上、氏名とご連絡先をご連絡ください)

※トークは予約なしでもご参加いただけますが、定員に達した場合は予約者を優先し、参加をご遠慮いただく場合がございます。パフォーマンス中に関しては会場が過密にならない限りは通常通りご入場いただけます。
※トークイベントの開始時刻は、パフォーマンスの状況により多少前後する場合がございます。
※トーク中は作品のサウンドの音量をOFFにします。ご了承いただけましたら幸いです。
Artist Talk: October 8(Sat.) 18:30-

新型コロナウイルスの影響により、会期や開廊日時の変更、入場制限等の対応を検討する場合がございます。詳細および最新情報は、ウェブサイト、SNS等をご確認ください。
We may consider changing the exhibition period and opening hours due to the effects of COVID-19. Please refer to our website and social media for details and the latest information.


各展覧会の内容や、企画の趣旨・構成に関する判断・批評があれば、自由にお書きください。
お寄せいただいた内容は、作家やキュレーターをはじめとした展覧会関係者と共有させていただきます。

そよ風のような、出会い

荒木優光

「木村くん」または、「あんた誰?」のためのサウンドトラック

ある距離を持った出会い。そして、出会い直し。スマートフォンやSNSを通して垣間見る出来事や、人のこと。そこへ、サウンドトラックを付けてみようと思ったのは、2022年6月の半ば。そんな折に、絶妙な距離感を保ったまま必然のように出会い直したのが、「木村くん」だった。
誰かさんから誰かさんへ、そよ風のようなメッセージの集積としてのサウンドトラック。距離感抜群God hand you。

外部の招喚: 受信機=トリガーとしての作品

千葉真智子(豊田市美術館学芸員)

蝉が鳴き始めたときに初めて、それまでのシンとした無音を思い知る。
機械音がおさまったときに初めて、耳を圧迫するように低音が鳴り響いていたことに気づく。
私たちは常に外部に晒されていて、そのちょっとした外部の変化がトリガーとなって、感覚のスイッチは切り替わる。
「切り替える」ことなく「切り替わる」
風景が、世界が、新鮮に発見される。


「ほんの少しのエピソードの種」を、最近の僕は広義のサウンドトラックの1つと捉えている。・・・それは音のないサウンドトラックのようなものであり、なんらかの「開かれ」のトリガーとして機能する
(荒木優光『「大声で叫びながら自転車に乗っている人」というサウンドトラック(世代を超えて)』)


音の場を立ち上げようとする荒木さんは、彼自身が受信機のように外部に開かれているのではないか。だからその作品は、外部との交渉の結果であり、外部との接触面としてある、と言えるかもしれない。

さて、仮にも作品というものが私を超えて共有され、何がしかの良さを持ち得るのだとすれば、そこには必ず、私以外の他者、外部の了解が成立していることになる。作品を作るとは、大袈裟に言えば、その判断を私以外のものに賭することであり、いまここを超えた時間・空間にいる人や事物を考慮し、作品を判断しようとする態度だとも言える。私を超えたそのような賭けは可能だろうか。

制作する私が否応なく外部を感受するように、作品も否応なく他者に感受されるものとしてある。
トリガーとしての作品。
私は私の外側にあるものとどのように付き合い、判断を重ねていくことができるのだろうか。

▊荒木優光 あらき・まさみつ▊
1981年山形県生まれ。視聴覚空間の多様性を踏まえた新たなフェーズとしての「再生」を軸として実践と考察を進め、独自の音場空間を構築する。主な個展に「わたしとゾンビ」京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル(2020)など。主なグループ展に「200年をたがやす」秋田市文化創造館(2021)、「としのこえ、とちのうた」旧豊田東高等学校(愛知、2019)など。主なパフォーマンスに「サウンドトラックフォーミッドナイト屯」KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭(2021)、「パブリックアドレス – 音場」Kunstenfestivaldesarts(ベルギー、2021)など。音楽グループ NEW MANUKEのメンバー。2022年度セゾン文化財団セゾン・フェロー。

(左)《スウィートメモリーズ エピソード 1-60》2020年|4Kビデオ、サウンド 撮影:三吉史高
(中)《サウンドトラックフォーミッドナイト屯》2021年|コンサートピース 撮影:井上嘉和 提供:KYOTO EXPERIMENT
(右)《Call》2021年|12incレコード 撮影:草彅浴 提供:NPO法人アーツセンターあきた